AMS2700は『ステンレスの不動態化処理』の航空宇宙対応スペックになります。
AMS2700には「Method」「Type」「Class」が定められており、不動態化処理の種類やロット試験の適用範囲を明確にするために必要な情報となります。
AMS2700 Methodについて
AMS2700にはMethod1とMethod2が規定されています。
Method1:硝酸を用いた不動態化処理
Method2:クエン酸を用いた不動態化処理
クエン酸を用いた不動態化処理はRoHSにも適合する、環境にやさしい表面処理として海外を中心に適用が進んでおります。弊社でも、ラボスケールではありますが、クエン酸不動態化処理を始めております。
AMS2700 Typeについて
AMS2700のTypeは処理液の成分・濃度・処理条件を指定するものです。
ステンレスには様々な合金種類があり、合金種類によって適切な処理液の条件が異なってきます。
Typeは1~8までの8種類あり、弊社ではType2,4,6を採用しております。
Type2:25%硝酸+重クロム酸
Type4:40%硝酸+重クロム酸
Type6:35%硝酸
間違った処理液を選択をしてしまうと、部品を溶解させてしまいます。
例)416材をType6に浸漬

AMS2700 Classについて
AMS2700のClassはロット試験時のサンプリングプランを指定するものです。
特別な指定がなければ、Class2を適用することになっています。
Class1:ロットから複数個抜き取り
Class2:ロットから1個抜き取り
Class3:定期的なインターバルで実施
Class4:ロットから複数個抜き取り